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研究事業の概要

シルバー人材センターにおける事故の状況

  • シルバー人材センターでの主な就業では、会員との雇用関係が発生せず（派遣・職業紹介を除く）、労働者災害補償保険が適用されないため、会員は「シルバー人材センター団体傷害保険」に加入しています。
  • 2018年時点における、保険が適用された事故の会員千人当たりの事故発生率（就業事故3,790件／会員数713,640人×1,000）は、5.31でした1)。軽易で短期的な請負の仕事が中心のシルバー人材センターにおいて、この値は低いとは言えず、就業に伴う事故の防止が重要課題となっているのは確かでしょう。

表1　シルバー人材センター団体傷害保険が適用された事故発生数（2018年）

登録会員数 就業中(死亡者) 通勤途上(死亡者) 計
713,640人3,790件866件4,656件
(29人)(14人)(43人)
石橋,20211)を基に作成
  • こうした中で、シルバー人材センターでは、様々な事故防止策を講じています。例えば、就業中の重篤事故の多くは、「保護具、服装の欠陥」などの、基本的な安全行動の不履行に起因していることから2）3)、作業別の安全基準を順守させるための就業前後の機械器具や安全保護具の点検や、指導員による巡回パトロールなどが実施されています1)。
図：重篤事故(死亡または入院6か月以上)の主な要因
（森下ら2）3)）
重篤事故(死亡または入院6か月以上)の主な要因
  1. 1 石橋智昭.高齢者就労における事故と防止対策.老年社会科学 43(1):74-78(2021).
  2. 2 森下久美，松山玲子，渡辺修一郎，中村桃美，石橋智昭. シルバー人材センターおける重篤事故の発生状況 : 10年間の全国データによる検討.労働科学 96(5/6):51-60(2020).
  3. 3 森下久美.シルバー人材センターにおける重篤事故の発生状況と要因：10年間の重篤事故報告資料の分析を通じて.Dia News 105:10-12(2021). https://dia.or.jp/disperse/dianews/pdf/dianews_no105_05.pdfPDF

シルバー人材センターの就業における事故に関する研究

目的

シルバー人材センターにおける、効果的な安全就業対策のあり方を検討するために、公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会が保有する事故報告資料（重篤事故事例、シルバー人材センター団体傷害保険適用事例）の供与を受け、データベースの構築、事故状況の分析を行っています。

データベースの蓄積状況

重篤事故報告データ：2009年〜2020年度分
シルバー人材センター団体傷害保険適用事故データ：2017〜2020年度分

今後の展望

上記データの解析を進めるとともに、�．轡襯弌漆雄爛札鵐拭嫉�務局職員や会員等に対するインタビュー調査による、詳細な事故の発生状況や要因の検証、��会員情報管理ベンダーとの意見交換会を実施し、連携可能性を探索する予定です。