財団のあゆみ
設立の経緯
1984年、三菱化成工業株式会社(現、三菱ケミカル株式会社)鈴木永二会長の提唱により、三菱グループの7社が参加し、「ヘルスケアサービス研究会」を立ち上げ、来るべき高齢社会の諸問題について検討(担当者レベル)を始めた。
「ヘルスケアサービス研究会」で種々検討の結果、高齢者サービスの中で、最初の切り口としてホームケア(在宅介護)を取り上げることとし、1986年、三菱グループ各社に働きかけ、参加会社を三菱グループ11社に拡大のうえ、「ホームケア推進協会」(任意団体)を設立した。本協会で、民間企業による在宅介護サービスの事業性について、模索を開始した。数年間のフィージビリティースタディーの結果、介護保険制度の無い中で、民間企業が在宅介護サービスを事業化することは難しいとの結論に達し、「ホームケア推進協会」は解散することとなった。
解散に際し、高齢社会が迫る中、この期間に蓄えた知見、ノウハウ、ネットワークを活かしつつ、高齢社会、高齢者問題全般を調査・研究する機関の設立を、三菱化成株式会社、三菱油化株式会社(いずれも現、三菱ケミカル株式会社)、明治生命保険相互会社(現、明治安田生命保険相互会社)の3社が提案会社となり、広く三菱グループ各社に働きかけた。これを受け、1993年、三菱グループ29社で、「財団法人ダイヤ高齢社会研究財団」(初代理事長 鈴木精二 三菱化成株式会社 会長)が設立された。
沿革
前身期
- 1984年
- 高齢社会に関する諸問題を検討する「ヘルスケアサービス研究会」設立。 三菱グループから三菱化成、三菱油化、明治生命、三菱商事、三菱レイヨン、 三菱地所、東京海上の7社が参加。
- 1986年
- 在宅介護サービスのあり方などを中心にユーザーニーズの把握、介護技術レベル 確保などを研究するため「ホームケア推進協会」を設立。 三菱金曜会の呼びかけによって、更に三菱銀行、三菱信託、三菱電機、キリンビ ールの4社が加わり三菱グループ11社が参加。
草創・拡大期
- 1993年
- ダイヤ財団設立。健康問題の調査研究、地域フィールドの設定、ホームケア 推進協会から引き継いだ在宅介護サービス開始
- 1994年
- 生きがい研究としてリサーチモニター制度を発足。
- 1996年
- 町田市に町田研究分室を開設。介護関連の調査研究を本格化。
転換期
- 1997年
- 在宅介護サービス提供事業を終了。研究志向としての性格が明確化。
- 1999年
- リサーチモニター制度を改組し「DAA(ダイヤ・アクティブ・エイジング)」を 発足。
発展期〜現在
- 2000年
- 町田市と共催で「現任ホームヘルパー技術向上モデル研修会」開催。 町田市において「介護の質の研究」が本格的にスタート。
- 2002年
- 日本初の「社会老年学文献データベースDiaL(ダイヤル)」の無償公開開始。 ホームヘルパーの質の向上に焦点を当てた「訪問介護員の介護技術チェックシー トの開発研究」に着手。
- 2003年
- 「ダイヤビック」の高齢指導者の育成と普及活動を推進。
- 2004年
- 「ケアの適切性に基づいた訪問介護サービスを支援する研究」を外部医療機関・ 教育機関の協力を得て開始。
- 2005年
- 「退職後の生きがい感に関する調査研究」を開始。
- 2006年
- 「訪問介護における管理者研修モデル事業」「介護予防サービスの効果検証研究 事業」を開始。
- 2008年
- 「都市高齢者の社会関係周縁部に関する研究」「保険者における介護予防評価の 効率的運営に関する研究事業」を開始。
- 2009年
- 「利用者モニタリングの有効活用に関する研究」 「うつ予防事業による効果の 検証および評価事業」開始。
- 2010年
- 「高齢期のコミュニケーションツールとしてのICT活用」「訪問介護における 事故・ヒヤリハットの再発防止を支援するシステムに関する研究」開始。 文京区本郷の本部と町田研究分室を統合し新宿へ移転。 公益財団法人認定取得。
- 2013年
- 財団設立20周年。賛助会員会社およびその従業員を対象に「超高齢社会における従業員の働き方と企業の対応に関する調査」結果を公表。「在宅介護による家族介護者の健康への影響と健康支援体制の検討」を開始
20年の歩み:財団の20年の歴史を年表形式でご紹介しています。 - 2014年
- 受託事業「シルバー人材センターの社会的有用性に関する研究」を実施。ダイヤ財団新書を電子書籍化し、WEB配信を開始。「仕事と介護の両立」に関する調査報告を公表し、同テーマでシンポジウムを開催。マスコミ等の反響多数
- 2017年
- 収益事業およびその他事業(社会貢献活動助成)を新規に事業登録