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2016年度
うつ予防プログラムの効果検証及び定着普及に関する研究
介護予防の観点からも、高齢者のうつ予防・支援は早期に取組むべき重要な課題である。しかしながら、うつリスクのある虚弱高齢者に対しては、これまで訪問サービスを中心とした個別支援を行ってきたものの、その効果は明らかになっておらず対策が遅れている。まして、うつ予防そのものを目的としたプログラムは非常に少ない。
そこで、当財団では2009年度に国内外の先行研究成果を集成し、ポジティブ心理学的アプローチに基づくうつ予防プログラムを開発し、高齢者及び高齢社会を担う勤労者を対象に実証研究を行っている。
概要
- 研究名
- うつ予防プログラムの効果検証及び定着普及に関する研究
- 目的
-
①うつ予防プログラムの有効性の検証
- 多様な属性に対するうつ予防教室の有効性を検証する。
- 教室終了後の自主グループ活動を含めた有効性及び効果の持続性を検証する。
②うつ予防プログラムの自主運営化のためのプロセスに関する研究
- 自治体や介護予防事業者がプログラムを自主運営化することを目的に、運営のノウハウや、ファシリテーターの育成ノウハウ等を確立する。
③うつ予防に関する普及啓発
- 期間
- 2009年度〜
- 内容
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①有効性検証
- 研究デザイン:介入研究
- 対象地域:都市部&地方(高齢者)、企業(勤労者)
- 対象者:高齢者・勤労者
- 介入プログラムの内容:うつ予防プログラム(ハッピープログラム)
- 評価方法:ベースライン調査とフォローアップ調査、自治体等からのデータ提供
- 調査方法:会場で実施する(自記式調査票)或いは郵送法
- 主な評価指標:
[メンタル面] 抑うつ状態、不安状態、睡眠状態、心理的幸福感(10段階)
[事後指標] 要支援・要介護認定状況、介護費、死亡、転出
②自主運営化
<プログラム運営サポート>
- ファシリテーターの派遣
- ファシリテーター養成研修の実施
- 普及啓発講演会の実施
③WEBの充実(データ収集、普及啓発型介入)
- 対象フィールド
- 同意が得られた自治体(東京都の1区、1市、神奈川県の1市、新潟県の1市)に在住、あるいは同意が得られた企業等(東京都内1区の社会福祉協議会、株式会社1社)に所属し、本研究への協力に同意が得られた者
- 従事者・協力者
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財団内:兪今、安順姫、黒澤侑子、岩田明子
財団外:新野直明(桜美林大学大学院)
- 最近の主な成果
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[学会]
- 兪今:「高齢者のうつ状態に対するうつ予防プログラムの介入効果」 日本健康心理学会第28回大会(東京 2015.9)
- 兪今:「うつ予防プログラムの介入効果についての実証研究−都市部と地方自治体における効果検証−」第27回日本健康心理学会(沖縄 2014.11)
- 安順姫、兪今:「地域高齢者向けうつ予防プログラムの介入の実証効果」第73回日本公衆衛生学会(栃木 2014.11)
- 兪今、安順姫、新野直明、芳賀博:「高齢者のうつ状態に対する予防プログラムの中長期的な効果検証」第73回日本公衆衛生学会(栃木 2014.11)
- 兪今:Prevention of Late-Life Depressive Symptoms「高齢期のうつ予防」(提案シンポ) 第20回国際老年学会(ソウル 2013.6)
- 森田彩子・兪今・兪峰・安順姫:Factors associated with well-being of Japanese frail older adults and effectiveness of group positive psychology intervention 「ポジティブ心理学的グループ介入の日本高齢者の幸福感に対する効果 」第3回国際ポジティブ心理学会 (ロサンゼルス 2013.6)
- 兪今・新野直明・兪峰・森田彩子・安順姫・芳賀博:Medium-to Long-term Effectiveness of Positive Psychology Approach in Preventing Depressive Symptoms of the Community Elderly 「高齢者のうつ状態に対するPPAを主としたうつ予防プログラムの中長期的効果 」第3回国際ポジティブ心理学会 (ロサンゼルス 2013.6)
- 安順姫、兪今、兪峰:「うつ予防プログラム介入が高齢者の主観的幸福感への影響」第71回日本公衆衛生学会総会(山口 2012.10)
- 兪今、新野直明、兪峰、森田彩子、安順姫、芳賀博:「うつ予防介入が地域高齢者のメンタルヘルスへの影響」、第26回日本老年精神医学会大会(東京 2011.6)
- 兪今、新野直明、兪峰、森田彩子、安順姫、芳賀博:"Effectiveness of Positive Psychology Approach in Preventing Late-Life Depression" (「高齢期のうつ予防におけるポジティブ心理学的アプローチ法の介入効果」)、Second World Congress on Positive Psychology(Philadelphia, Pennsylvania USA 2011.7)
- 兪今、新野直明、兪峰、森田彩子、安順姫、芳賀博: "Effectiveness of Positive Psychology Approach (PPA) to Decrease Depression Symptoms in Older Adults in Relationship to Changes in Other Mental Health State "(「高齢者のうつ状態に対するポジティブ心理学的アプローチの効果とメンタル指標との関連」), 9th Asia/Oceania Regional Congress of Gerontology & Geriatrics (Melbourne, Australia 2011.10)
[寄稿]
- 兪今「日々のリトルハッピーを感じ、幸せをグレードアップ―小さな心掛けが健康を守り、幸せをつくる―」 明治安田生活福祉研究所調査報 生活福祉研究86号(2014.2)
[対象者向けの結果のフィードバック(チラシ作成、配布)]
- D区「高齢者の健康と日常生活に関する実態調査―結果報告―」(2015.10配布)
[講演会・研修会]
(2015年度)
- C市 介護予防講演会「高齢期のこころの健康の保ち方」(2015.7)
- C市 ハッピープログラム サブファシリテーター養成研修(2015.7,8)
- B市 ハッピープログラム ファシリテータースキルアップ研修会(2015.10,11)
- D区 介護予防講座「幸せアップでこころ元気教室〜体験版〜」(2015.10,11)
- A市 介護予防講座「心の風邪を吹き飛ばそう」(2015.11)
- DAA池袋「人生を幸せに全うための心構え〜元気になる心の健康習慣〜」(2016.1)
- A市 地域包括支援センター健康講座「知っておきたいハッピースキル」(2016.1,2)
(2014年度)
- C市 ハッピープログラム サブファシリテーター養成研修
- C市 うつ予防講演会「小さな心がけがうつを防ぐ −ハッピープログラムについて」
- B市 ハッピープログラム ファシリテータースキルアップ研修会
- DAA交流会 財団研究報告「人生を楽しむコツ 〜こころにやすらぎとハッピーを〜」
(2013年度)
- B市 うつ予防ファシリテーター養成研修会
- D区 介護予防講演会「高齢期のこころの健康の保ち方〜毎日をポジティブに過ごすためのこつを学びましょう」
- 東京都H市講演会「いきいきと生活するためにー高齢期のこころの健康―」
[ダイヤ高齢社会研究財団主催シンポジウム]
[ダイヤニュース掲載]
- 財団研究紹介「幸せの健康習慣―ハッピースキルで幸せをアップ―」(Dia News No.85)
- Dia Forum「『ハッピープログラム』の介入は労働者のメンタルヘルスの維持増進に有効」 (Dia News No.84)
- 財団研究紹介「ハッピー自主グループ活動の推進 〜ハッピープログラム修了者の自主グループ活動に対する支援事例〜」(Dia News No.82)
- 論説「うつ予防のためのポピュレーション・アプローチ・プログラムの応用と効果 -高齢者のうつ予防と支援事業としてのハッピー教室の取り組み-」(Dia News No.74)
- My opinion 「ハッピースキルで“聡明”な日々を」(Dia News No.71)
- 財団活動REPORT 「高齢者を対象としたハッピープログラムがメンタルヘルスに与える影響―うつ予防を目的とした介護予防プログラムの開発と取り組み―」(Dia News No.64)
[報告書]
- 平成23〜25年度A市介護予防事業「うつ予防教室」の事業評価 報告書(2015.1)
- 平成25年度A市介護予防事業「うつ予防教室」の事業評価 報告書(2014.12)
- 平成24年度B市介護予防事業「ハッピー教室」の事業評価 報告書(2014.3)
- 平成24年度A市介護予防事業「うつ予防教室」の事業評価 報告書(2013.7)
[発行物]
- 幸せアップ実践ワークブック ―より幸せな日々を過ごすために― (2016.2)
- 心も体も健やかにしてくれる Y式五感健康法 DVD (2016.3)
担当者:安 順姫(あん じゅんき)研究員のご紹介ページへresearchmapへ
(公財)ダイヤ高齢社会研究財団 研究員
担当者:兪 今(ユ キン・YUJIN)
ダイヤ財団の研究報告書や刊行物について
ダイヤ財団では高齢社会における「健康」「生きがい」等の諸問題について調査・研究活動を学会報告するとともに、主なものを研究報告書として発表しています。また、「ダイヤニュース」や「ダイヤ財団新書」などの財団刊行物をご希望の方は、下記までお問い合わせください。
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