調査・研究活動【公益目的事業1】の概要

（1）生きがい感研究

高齢期における子どもとの同居・非同居の選択に関わる心理的問題を取り上げ、その選択に係る高齢者の生きがい感や家族感について、調査を実施しました。
高齢者の自立意識と社会的孤立の関係について

（2）企業退職高齢者を対象にした「いきいき高齢者づくり」のモデル事業

当財団の賛助会員会社出身の退職高齢者の集団「ダイヤ・アクティブエイジング・アソシエイション（DAA）」の親睦・交流活動や地域社会参加・貢献活動等を「いきいき高齢者づくり」のモデルと位置付け、調査研究を実施しました。
企業退職高齢者を対象にした「いきいき高齢者づくり」のモデル事業

（3）「都市高齢者の社会関係周縁部に関する研究」（平成18年度〜）

日常生活を通じて出会ったあいさつや顔見知り程度の社会関係の周縁部に位置づけられる他者について、その実態および当該高齢者に及ぼしている影響について定量的に検証しました。平成19年度から、当該分野の専門家と研究委員会を開催しており、文献サーベィ、調査方法の開発を行ってきました。
平成26年度は、それらの結果をもとにした小規模なパイロット調査を行いました。平成27年度中に、この調査結果を分析し、投稿論文としてまとめる予定です。
また、当該研究テーマに関わる2つの調査研究事業「平成26年度生涯現役社会づくりに関する活動の国際比較研究（厚生労働省老人保健健康増進等事業、申請 国際長寿センター）」、「平成26年度地域保健事業におけるソーシャルキャピタルの活用に関する研究(厚生労働省科学研究費、申請 藤原佳典)」に関わり、成果を日本応用老年学会大会アメリカ老年社会学会などで発表しました。
都市高齢者の社会関係周縁部に関する研究

（4）「中高齢者の交流媒体としての電子メールに関する研究」(平成23年度〜)

高齢期の社会的孤立防止の観点から、社会関係を取り結ぶ他者たちと交流するための媒体(交流媒体)としての電子メールに焦点を当て、その利用実態を明らかにします。研究の最終年度に当たる本年度は、本研究のプレ調査として行ったweb調査の結果を投稿論文「高齢者の非親族との電子メールを介した交流の特性」として社会情報学会に投稿し、社会情報学（第3巻第1号、15-26）に掲載されました。
中高齢者の交流媒体としての電子メールに関する研究

（5）「ICT(情報通信技術)を活用した高齢期の社会活動継続に関する研究」(平成23年度〜)

中年期から日常生活においてインターネットを活用してきた人々が高齢化していくなかで、後期高齢期においても活動を継続していくためのICTの可能性について明らかにしていきます。本年度は、ICT活用に主体的に取り組むシニア団体(ダイヤネット)と共同で「後期高齢期におけるタブレットの利活用に関するアクションリサーチ」を進めました。同時に、平成23年度に後期高齢者を対象に行ったインタビュー結果を論文「都市部の企業退職者の社会活動と社会関係におけるインターネットの位置づけ」としてまとめ、応用老年学会に投稿し、応用老年学（第7巻、31-39）に掲載されました。
ICTを活用した高齢期の社会活動継続に関する研究

（6）「杉並区健康長寿モニター事業」 (平成24年度〜)

東京都杉並区が健康長寿の秘訣をさぐることを目的に、平成24年度から、80歳区民を対象にした5年間の追跡調査を実施しています。この調査に委員として参画するなかで、平成24年度に実施された初回のアンケート調査結果の分析を平成25年度に行い、本年度はその結果の一部を、第56回日本老年社会科学会、第18回国際社会学会議で報告しました。
杉並区健康長寿モニター事業