2016年度
介護QIによるケアサービスの質の評価研究
介護保険制度は利用者による主体的なサービス選択を保証しているが、入手可能な介護サービス情報の内容は不十分であり、特にサービス利用者の改善や悪化の実績を示す「効果(アウトカム)」の情報の充実が課題とされ、その算出基盤となる利用者データベースの整備が急務となっている。
概要
- 研究名
- 介護QIによるケアサービスの質の評価研究
- 目的
- 本研究では、ケアプラン作成時のアセスメント情報を二次活用する手法により、「認知障害の改善・悪化」「介護者のストレスの軽減」等の国際比較可能なアウトカム指標であるQI [Quality Indicators] を算出し、日本のケア水準に関する基礎的な資料を得る。
- 期間
- 2016〜2018年度
- 内容
- これまで、国際標準であるインターライ方式のアセスメントデータを二次活用してケアサービスの質を定量化することにより、日本国内においても国際比較可能なアウトカム指標であるQIを算出可能であることを明らかにした。ただし、検証に用いたデータベースは2千人程度の小規模なものであったため、わが国のケアの標準的QI値を得るには至っていない。そこで引き続き、これまでに確立したアセスメント情報を二次活用する手法によって利用者データベースの規模拡大を進める。本年度は、新たな協力事業者の確保に向けて、業界紙への投稿や研修会等の活動を行う。
- 対象フィールド
- 介護サービス事業法人
- 従事者・協力者
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財団内:石橋智昭・早尾弘子・牧野ひろこ
財団外:NPO法人インターライ日本,池上直己(聖路加国際大学)、高野龍昭(東洋大学)、五十嵐歩(東京大学)、小野恵子(武蔵野大学)、阿部詠子(順天堂大学)
- 最近の主な成果
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[論文]
- Ayumi Igarashi, Tomoaki Ishibashi, Tomohiro Shinozaki, Noriko Yamamoto-Mitani: Combinations of long-term care insurance services and associated factors in Japan: a classification tree model, BMC Health Services Research 2014, 14:381 (10 September 2014).
[学会]
- 池上直己・天野貴史・石橋智昭:居宅介護支援事業所とケアプランの質の評価.第57回日本老年医学会学術集会(2015/06)
[寄稿等]
- 厚生労働科学研究費補助金「高齢者介護サービスの質の包括的評価に関する研究」総合研究報告書(平成28年3月)
- 石橋智昭・池上直己・天野貴史・高野龍昭:インターライ方式への挑戦,『シルバー新報』(2014年6月号〜7月号[5回連載]),環境新聞社,東京
- 石橋智昭:特集「介護の質の向上とアウトカム評価」;介護QIでサービスの質の向上を.シルバー産業新聞2014年10月10日号,(株)シルバー産業新聞,大阪府
担当者:石橋 智昭(いしばし ともあき)研究員のご紹介ページへresearchmapへ
(公財)ダイヤ高齢社会研究財団 研究部長/主席研究員
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